あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―

「本当に家の息子はピュアなんだよねー誰に似たんだか」


美紀が、意地悪く笑うのを見て朱はその意図を汲み取ったのか、美紀の話に乗っかった。


「あ、それすっごい分かります。顔って言うか全体的に心身共に強そうな感じなのに実は、ザ、ピュアって感じですよね秀俊って」
「そうなんだよ~」
「なんかもうピュア俊ですよね」
「それ良いねピュア俊……なかなか合ってる」


美紀と朱は話を弾ませながら秀俊を見た。見られている当の本人は、見られているとは露ほどにも思っていないのだろう。少しだけ日に灼けた顔をかあぁっなどと言う効果音がつきそうなくらい真っ赤にして目の上辺りに片手をおきながら顔を隠している。
しかし、朱からも美紀からも角度的に見える位置にあるのでハッキリ言って丸見え状態だ。