あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―


「……それ、よく言われるけどね俺は女の子しか恋愛対象として見てないわよ」


はぁぁぁ。
長い長いため息を吐いて朱を見る慧は別段、怒っている様子は無い。

秀俊はホッと胸を撫で下ろした。慧の怒髪天を遠巻きに見たことのある秀俊にとって先程の沈黙はかなりのものだった訳で。


「一度だってムッサイ男共にドキドキキュンキュンしたことなんて無いわ」


スンッと鼻をならしてそっぽをむくが、腕を組んでいるせいか、どこかスタイリッシュに決まっていて、モデルのように見える。


「梨乃をそろそろ向かえに行った方がいいんじゃないですか?」