千里の母親が口を開きかけたその時。

コンコンと、ドアをノックする音が聞こえた。




「あぁ~…客人だぞ?」

クソッ…あと少しで、俺の頭が

すっきりするところだったてのに…





「そう…みたいね…」

しかし、千里の母親は

どこか腑に落ちないような顔をしている






「どうした?」



「お母様?」





こうしてる間にも、ドアをノックする音は荒くなる。






「うっせぇな、礼儀もしらねー奴だろ。」


「暁が言うか…?」


「…千里、なんか言ったか?」


「イヤ? ナンデモ―」



こんな、他愛のない言い合いにも

千里の母親は楽しそうに笑っていた。