「・・・・いま、なんと…?」



私は耳を疑った。



父上は言った。


「輿入れじゃ、と言っておろう。そう何度も言わせるでない」



あまりに突然すぎて言葉が出てこない。


「姉様っ、お輿入れなさるのっ?」


9つ下の海希(みき)姫がおもちゃをもったままこちらへたたたっ、と走ってきた。



「そうじゃそうじゃ~、うれしいのぉー」


と父上が脳天気なことを言い出してきた。


私は固まったまま、動けないでいた。


目の前では父上と海希がおもちゃで遊んでて………楽しいのかなー

………
あららっ違うわ!

そうではなくて…


「ち、ちっ、父上っ!!なぜですっ!?」