「暴力沙汰はヤバいって」

「お前が言われたのも言葉の暴力じゃん」



「瑛太」

「……」

「北山先輩とはもう関わりたくないの」

「……」

「だから、止めて」

「……」

「お願い」

私の言葉に瑛太は困ったような表情で何かを考えていた。

だけど

「分かった」

瑛太は何かを諦めたように小さな声で呟いた。

「もう、忘れろ」

「……」

「あいつに付き纏われたことも」

「……」

「あいつに言われた言葉も」

「……」

「全部忘れろ」

「……そうだね」

小さく頷くと瑛太の手がゆっくりと伸びてくる。

瑛太はその大きな手で不器用に私の頭を撫でてくれた。

「瑛太」

「うん?」

「ありがとう」

「おう」

俯いている私には瑛太が今どんな表情をしているのか分からない。