「多分、もう帰ったと思うけど……」

「でも、それってついさっきの話だよな?」

「え?……まぁ……」

「どのくらい前だ?」

「どのくらいって1時間以上は経ってるかな」

「は!? 一時間以上!?」

「うん、鉢合わせとかしたくなくて時間を潰してたから」

「……もしかしたら、まだいるかもしれねぇ」

その言葉は私に向けられたというよりも独り言のようだった。

クルリと身体を反転し、私に背を向けた瑛太の腕を

「ちょっと!? 瑛太!?」

私は引っ張った。