「姫花」

すかさず追いかけてきた声に

「なんですか?」

足を止め、振り返った。

「ちょっと来て」

「なんですか?」

「いいから」

「……?」

「ここに座って」

言われた通りにソファの空いているところに腰を降ろすと

「北山先輩!?」

ソファに座った先輩が私の太腿に頭を載せ横になった。

スカートから露出している肌に先輩の髪が当たりくすぐったい。

「10分だけ」

「はい!?」

「10分だけ貸して」

そう言った北山先輩は既に瞼が落ちていて

先輩の言葉を理解するまでに時間が掛かり

しばらく経って漸くそれを理解した私が

「……はっ?」

すっ呆けた声を発した時には北山先輩は規則正しい呼吸を繰り返していて

「……もう、寝てるし」

私の声が北山先輩に届くことはなかった。

……なんで私が……。