「だけど、俺にしてみれば姫花と過ごすには最高の場所だって気付いたんだ」

「……そうですか」

……できれば気付かないで欲しかった。

密かにそう思ったけど、それを口に出せない私は曖昧な笑みで心の声を隠した。

窓に近付いた先輩が、白いカーテンと窓を少し開けると

新鮮な空気が風に乗って流れ込んできた。

それから先輩は部屋の中央に置いてある革張りのソファに腰を降ろすと背凭れに身体を預ける。

すっかりリラックスモードの先輩と未だに立ち尽くしたままの私。

ここで先輩となにをするのか全く分からない私は恐る恐る口を開いた。

「……あの……」

「うん?」

「付き合って欲しいってここにですか?」

「うん」

「……えっと……」

「どうした?」

「ここで一体なにを……」

「ちょっと昼寝をしようかと思って」

「は?」

「昨日、寝たのが遅くて寝不足なんだよ」

「……はぁ……」

「だからちょっと昼寝をしようかと思って」

……それって、私、必要なくない?

「……そうですか」

「うん」

「……じゃあ、ごゆっくり」

私はそう言い残すとクルリと踵を返し出入り口へと向おうと足を踏み出した。

だけど……