「じゃあ、知らなくて当然だな」

「うん……って、学区内の中学だった人は知ってるの?」

「ほとんどの奴が知ってるだろうな」

「有名人なの?」

「ある意味有名人かもな」

有名人って言葉に密かに私の中で何かが反応を示す。

……いや、そんなはずはない。

どう見てもそっち系じゃないし。

でも、人は見かけによらないって言うし……。

「それってどういう意味で?」

恐る恐る尋ねてみる。

「中学の頃からすげぇモテてた」

「モテてた? なんで?」

「そりゃ、あの容姿だし。その上、成績優秀、スポーツ万能、女に優しいとくればモテない訳がないだろ?」

……良かった。

そっちか……。

瑛太の言葉に私はホッと胸を撫で下ろした。

「姫花、どうした?」

「な……なんでもない」

「今、付き合ってみてもいいかなとか思った?」

「は? なんで?」

「モテるなら付き合ってみようかなとか」

「……」

「姫花?」

「……ごめん、全然意味が分からない」