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翌日。

いつもより早くに目が覚めた私は、家でゴロゴロしてるのが勿体無いような気がして、学校に向う事にした。

通学、通勤時間前だから電車も空いていてちょっとだけ得した気分になる。

いつもみたいにたくさんの人でごった返す電車から解放された私は気分よく校内に入り昇降口でローファーから上履きに履き替える。

脱いだローファーをロッカーに仕舞っていると

「姫花」

背後から名前を呼ばれた。

「あ、瑛太。おはよう」

「はよ~。今日、早くねぇ?」

「なんか昨日早く寝たら、今日も早くに目が覚めちゃって」

「婆さんかよ」

「別に今回だけだし。いつも早寝早起きしてる訳じゃないから」

「分かってるって。冗談だよ」

「なんだ、冗談か。瑛太は?朝練?」

「そう、朝練。今、終わったばっか」

「大変だね。どう?活躍してる?」

「してる訳ねーだろ。まだ入部したての新人だしな」

「でも、バスケの推薦でこの高校に来たんでしょ?」

「あぁ」

「じゃあ、やっぱ期待の新人じゃん」

私の言葉に嬉しそうに顔を綻ばせた瑛太。

「次の試合でメンバーに入れるように頑張ります」

「うん、頑張れ」

わざと上から目線で言うと

「じゃあ、メンバー入りできたら応援に来いよ」

私の頭を乱雑に撫でる。

その所為で髪がぐしゃぐしゃになった。

「ちょっと、瑛太!?」

「うん?」

「……髪が大変な事になってるんだけど」

恨みがましく言ってみたけど

「悪い」

全然悪いと思っていないらしい瑛太は、笑いながら乱れた私の髪を直していく。