「姫花、英語の課題やった?」
私の周りを取り囲んでいる女の子達をその小さな身体で押し退けて乃愛が下から私の顔を覗き込んでくる。
「あっ……うん、一応終わってるけど」
「マジ!? 本当に悪いんだけど写させてくれない?今日、私当たりそうなんだ」
「う……うん、それはいいけど」
「やった!! かなり助かる!! じゃあ、今、見せてくれる?」
「う……うん」
私が小さく頷くと、乃愛は私の手を掴み
「はい、は~い。ちょっと、ごめんね」
女の子達の間を通り抜け、私の席まで避難させてくれた。
「ふ~、助かった」
自分の席に着き、つい本音を漏らすと
「あの子達にとってみれば、最高のネタだからね」
乃愛は苦笑気味に教えてくれた。
「そういうものなの?」
「え?うん、普通はそうじゃない?」
「そうなんだ。私、今まであんまり人付き合いしてこなかったからこういうのに疎くて」
「疎い? てか、人付き合いしてこなかったってどういうこと?」
そう尋ねられて、私は自分の失言に気付いた。
