「じゃあ、三浦さん行こうか?」

なにが『じゃあ』なのか全く分からないけど、拒否権が無いらしい私は

「はい」

この先輩に着いて行かないといけないらしい。

渋々と重い腰を上げると

それを見ていた先輩が悠然とした足取りで教室を出て行き、私はその背中を追わなければいけなくなった。

チラリと時計に視線を向けると、お昼休みはあと30分程しか残ってなかった。

先輩がどんな話があるのか全く見当もつかないけど、お弁当を食べる時間がないのはなんとなく予想ができた。

お弁当のおかずに入れていた、ベーコンのアスパラ巻きは私の大好物なのに……。

こんな事になるなら、最初に食べておけばよかった。

大きな後悔は、小さな溜息となって私の口から零れ落ちた。