〝廊下ですれ違った人が超タイプだった〟とか

〝先輩が乃愛の大好きなコスメブランドの新色のリップを付けていた〟とか

乃愛の『大変!!』は、私にとってはあまり大変なことじゃないことが多い。

だから、今回もそんなに大変なことではないだろうとタカをくくっていた。

だけど、今回ばかりは乃愛以上に私にとって大変なことが起きていた。

「ゆっ……い……た」

呼吸が乱れている所為か途切れがちでよく聞き取れなかったから

「乃愛、落ち着いて」

私は苦笑しながら、乃愛の背中を撫でた。