嘘は吐いてない。

ちょっと、結果論も交じってるけど……。

うん……嘘は吐いていない。

「男の先輩……彼女持ち……」

ブツブツと呟いていたお兄ちゃんが

「……まぁ、いいけど」

呟いた一言に私が安堵の溜息を吐いたことはいうまでもない。

……っていうか、私がお兄ちゃんに声を掛けられなかったのは、お兄ちゃんの所為なのになんで私が疑われなきゃいけないんだろう。

ちょっと納得できなくて、思わず喉まで出掛った言葉を私は思わず飲み込んだ。

お兄ちゃんを責めたところで、返り討ちに合うのは目に見えている。

それが分かっているのにわざわざそれを指摘するだけの気力なんて今の私にはない。

さっきの疑惑事件だけでかなり疲れたし……。

もう、今日は大人しくしておこう。

そう心に決めた刹那――