顔は前に向けたまま視線だけをこちらに向けてくるお兄ちゃん。

その視線には訝しげな色が滲んでいる。

……これはヤバイ!!

絶対に面倒な勘違いをしているに違いない。

そう勘付いたのはお兄ちゃんとの付き合いが長いから。

これは回避しなきゃいけない!!

そう思ったけど

「……えっと……」

こんな時に限って、対処法が見つからず狼狽えてしまう。

そんな私の反応に

「……まさか男といたんじゃねぇーだろうな?」

お兄ちゃんが低い声で凄んでくる。

「ち……違う!!……違わないけど違うの!!」

「あ?」

「男の人だけど、そういう関係じゃなくて……先輩……そう、先輩なの!!」

「……先輩?」

「そう先輩。その先輩は彼女もいるし」

「彼女?」

相変わらず疑うような視線を向けてくるお兄ちゃんに

「うん」

私は力強く頷く。