「……はい?」 

なぜか乾 諒は笑っていた。

その笑顔は

何かを謀るようなものでも

嘲笑うようなものでもなく

純粋な笑顔だった。

その笑顔に首を傾げる私に

「お前、名前は?」

尋ねられる。

「三浦 姫花」

「……姫花……了解。覚えた。じゃあな、姫花」

なにが〝了解〟なのか、彼は身を翻すように教室の出入り口へと歩みを進めていく。