「担任に聞いたのか?」

「……あんた、なに言ってんの?マジでウザいんだけど」

私の言葉に乾 諒は

「……」

絶句した。

その切れ長の眼を大きく見開き

なにか言葉を発そうとした口も僅かに開いたまま

〝間抜け面〟としか表現のしようがない彼の表情。

だけど、その表情は私が見たことのある彼の表情の中で一番人間らしいものだった。

こうしてみれば、彼も私と同年代の男の子だと改めて思う。

「……お前……」

「なに?」

「“ウザい”って、俺に言ったのか?」

「他に誰がいるの?」

「……」

「……」

「……お前、面白いな」

眩しそうに細められた眼とゆるりと上げられた口端。