相手の思惑が分かれば怖いものなんてない。

だから――

「ウザいのはお互い様じゃない?」

私も答えた。

スッと音もなく向けられる視線。

その眼は、さっきまでの楽しそうなものじゃなくて訝しげなものだった。

明らかに見て取れる彼の動揺に口元が緩む。

それを隠す様に私は微笑を浮かべる。

いつも校内で張り付けている笑顔じゃなくて微笑。



「たかが女一人になにをそんなに怯えてるの?」

「あ?」

「他人を寄せ付けないのは秘密がバレるのが怖いから?」

「……」

「もし、そうなら忠告してあげる」

「……」

「過剰な予防線は他人の興味を煽るだけだから」