「…?凛奈?大丈夫ぼーっとして」


はっと我に返って落ち着いて考える。


そうだよ。図書室は入っちゃダメじゃん。そうだ場所移動しよう。あれ?でも…


「たくみ先輩はなんでここに?」


「ん?俺はここが好きだから昼は毎日ここで食べてるよ。使用禁止になってからほんとにだーーーれもこないんだよね。たまに先生が誰かいないか覗きに来るくらいでね。少し寂しかったから凛奈がいてくれて嬉しい。」

にっこりと笑ってみせた先輩は私の頭を軽くなでた。



ドクンっと胸が弾んだ。



(これ以上ここにいたらダメだ。)



「そ、そうだったんですね、でも私あの、その使用禁止なのに知らなくて!!ば、場所変えますね!じゃあまた」



そう言って逃げるように図書室のドアノブに手をかけた時だった。






「待って。」