その日の夜。

私達は公園に集まった。

「さてと、行こうか」

どこか、ウキウキとしている、静くんだった。

その理由は、私があの業者さんの事を、
話したからだ。やっぱり嬉しそうだった。


そんな静くんを見ると、私まで嬉しくなってしまう。

二人で静くんが壊した窓から校舎内に入っていく。
かなり、馴れてきた。


私達は、校長室に忍び込んで、
アートを作り始めた。

作り始めて、しばらくすると、

コツコツと足音が聞こえてきた。


静くんと顔を見合う。
ドクドクと心臓が鳴る。

コツコツと足音は近付いてくる。


まずいんじゃ、ないのかな。
嫌な汗が額から流れる。


ガチャリとドアが開いた。
そこには、担任の篠田先生だった。

「ん!?誰だ?お前たち何をしている!」


懐中電灯でこちらを照らそうとするが、
静くんがペンキの缶を投げつけた。

「うわっぷっ!」

篠田先生は真っ赤になった。


その隙に私達は窓を開けて、外へと、
逃げる。


運動場をかなり、全力で走った。

けれども、校門の所で、数人の先生が
待ち伏せしていた。


「あ!?お前たち、こんな時間に何を
しているんだ!」

先生の一人が声をかけてきた。



静くんを見ると、どこかやりきった顔をしていた。その顔を見て私も、
もう、やりきったと感じれた。

良い思い出だった。
最後の思い出に相応しい。