そういえば、昨日私達が作った
アートは明日、あ、もう今日か、に
業者さんにより綺麗に掃除されるそうだ。


私は担任の篠田先生の机に、
大量の蟻を描いている。多少グロい。


静くんは教頭先生の机に、
大量のアルファベットで絵を描いていた。
それは、とても複雑で一瞬何が、
描かれているのか分からなかった。

しかし、良く見るとそれは、
とても可愛らしいエンジェルだった。
教頭先生の机の上をアルファベットのエンジェルが飛び回っていた。


相変わらず、凄いなぁ。
私は素直に感心して、再び自分の作業に戻った。


そして、やはり気になるのが、
窓のことだった。
あの窓が直った事を知っていたのは、まあ分かることだ。
ただ、なんで他の窓が壊れているって分かったんだ?
そもそも、そんなに窓の鍵って壊れるものなのか?


「ねぇ。静くん。
窓の鍵ってもしかして─
─静くんが?」

私は聞いてみた。あくまで仮説を。


「うーん?」

静くんは一回筆を置いてこちらを向く。

「うん。そうだよ」


以外とあっさり認めた。

「あぁ、でも、始めの窓は、
本当に壊れていたよ。でも、
そこが直されるっていうんで、パキッと」

照れながら、言う静くん。