吊りとも


下手くそなモナリザを絵の具で
書き続ける。
なんか、楽しくなってきた。


私は、モナリザを書き終えると、
別の机に真っ黒な薔薇を書き始めた。


静くんは既に黒板の模様を描き終えて、
今度は窓にスプレーを吹き付けている。
まるで、ステンドグラスみたいだ。


その時の私は少し悔しかった。
そういう感情を感じたのは久しぶり
だった。

「よーし、
描いてみようかな」

やる気が出たので別の机を真っ赤に、
塗りつぶした。


二人で教室に二人のアートを、
作り続けた。

気が付くと、もう4時だった。
空がほのかに明るくなってきた。


「作ったねぇ」

私は教壇に立ち、教室を見回し言う。


「ね、楽しいでしょ」

静くんはとても嬉しそうな目をして、
私に言っていた。


「ねぇ。雪江さん。
明日もつくろうか?」

私はしっかりと頷いた。


今から明日が楽しみだった。