家に帰ってくると、

「おかえりなさい」

母親の大神 加代(オオカミカヨ)が食器を洗いながら声をかけてきた。

「ただいま」

私は軽く返事をして、自分の部屋に
向かった。


自分の部屋に入ると、まず
ベッドに飛び込んだ。色々とありすぎた。
頭の中を整理しないといけなかった。

「──死のうとしたんだよねぇ」

改めて考えて、呟いたけども、
気持ちも何も変わらなかった。
今はただ、今夜の約束が楽しみだった。

「服って、何を着てけばいいのかなぁ」

久しぶりにそんなことで悩んだ。