見栄をはるつもりはないけど、やっぱりみんなが来るなら多少なりともきれいにしておかなくちゃ。

「ねえ、」

「わあっ!…玲、いつからいたの!」

急に声をかけられてびっくりしちゃったよ!

「さっき。ていうか、なんで俺までいなきゃなんないの?」

そんなじっとり睨まれても…

だいたい、玲に家にいろって言ったのはりっちゃんだし。

「バスケ部の人みんないいとだから、玲にも友達ができるチャンスだよ!」

「別に友達とかいいんだけど。」

そうそう、玲って昔からこういうやつだよね。

コミュニケーション能力はほぼないに等しいのに、それでもなぜかいつもそばにいてくれる友達ができるの。

「葉ちゃんもいるから、きっと楽しいよ。」

「葉がいるなら余計にめんどくさそう。」

めんどくさいのはこの状況!

そもそもあたしは別に玲も真兄も頼んでるわけじゃないのに!

元凶はりっちゃん!

勉強するのも一苦労な一ノ瀬家なのです。