ひらひらとピンク色の花びらが、

桜舞う4月


私、本田詩穂は新しい環境に馴染めずにいた

高校一年目のスタートと言えばみんなうきうきと目を輝かせ期待に胸を膨らませているんだろう。

実際周りを見てもそう見える。


だけど私の胸の内は少し違った



中学3年の卒業間近、私の両親は離婚した

いつもニコニコと朗らかに笑う父と、明るく性格のはっきりした母は私から見ても仲が良さげで、離婚の話しを聞いた時正直寝耳に水だった。


私が思っていた夫婦の仲は仮面だったのだ

実際は父の借金、母の不信感で夫婦仲は壊れていたらしい。


それでも私には心配かけまいと、私が中学を卒業するまではとの配慮だったのだ