ひねくれ娘の恋事情



「待ってください」


 その後ろ姿に呼びかけたのは遥だ。


「井坂先輩、待ってください」


 丸くおさまると思っていたクラスの全員が、ぎょっとして息をひそめる。


 井坂が見るからに不機嫌な顔つきでこちらを振り向いた。