心には寂しいという風も吹いている。 それはとても冷たくて、私の心をえぐるような風。 ナオトは、私を忘れてしまったんだ。 もう多分、会える事はない。 だけど、それでも、心の真ん中に、笑ってるナオトがいる。 ナオトは、生きている。 昨日握ったあの手のような、生きているナオト。 その事実が、私を勇気づけてくれる。 私は重い体をなんとか起こして、朝の支度をした。