螺旋上の赤

(同じ学年の学生か……。)

「——私に何か用ですか?」

「いや、別に。」

自称哲学科1年と称する男がにこやかに答えた。

(なに、コイツ……。)

顔は良いけど、感じは悪い。
声も良いけど、感じは悪い。
どう考えても不審者である。

初対面だと思う。
当たり前だけど話す事もなくて。
私は無言のまま視線を逸らし、背中を向けて歩き出した。

ふわっ

何かが両肩を通り過ぎた。

と思ったら

(——え?)

あっ……えっ……ええっ!?

抱き締められていた。
後ろから覆い被さる様に。