「つばきさんを助けたのはわたしじゃありませんよ」

「え?」

「桜木くんです」

「…桜木、くん?」


周りを見てもいない。
優しくない桜木くんがいない。


「何があったか知りませんが、つばきさんの首を絞めて殺そうとしたので、一発腹に入れておきました」

「……首を?絞めた?」

「つばきちゃん、首が紫色だよ」

「手加減なしだな、桜木は」


柊くんがわたしの首に触れた。


「ごめんね、つばきさん。僕がもっと早く駆けつけられたら殺されそうにならずにすんだのに」


そうか…わたしを助けたのは桜木くんだったんだ。

俺を呼ぶなって前にも怒ってたっけ。
でも、わたし呼んでない。


「本気で殺すつもりがなかったのだけはわかりますが」

「本気なら、首が飛ばされてたからね」


榊先生と柊くんが複雑な表情をしてわたしの首に触れた。


「わたしには傷を治癒させるほどの力がないので、少しだけ」