その瞬間。

ーーーバタンッッ!!

(え…。ま、まさか!!)

慌てて前を見るけど、予想通り入り口の
扉はかたく閉ざされていて。

私はまんまと、ハメられたらしい…。

「帰ってもらっちゃ、困るんだよ。」

黒髪の、冷めた目をした男が言う。

こ、これは……

「新手の誘拐かなんかなの?」

すると、金髪男がフッと笑う。

「さすが、社会26点はバカさが違うな。」

「だから、亜蘭だってば!」

こいつは…いちいちバカにしてっ!!

「あぁ、忘れてた」

男はククッと笑ったあと、真剣な目をして
こちらに向き直った。