月影の涙Ⅱ~私はただの人形~【完】

これは……瑠璃の退院する日?


「退院おめでとうございます!」

花束を瑠璃に渡す看護師。

「傷が治って良かったよ。」

わははと笑う医者。

『ありがとうございます。』

「あれ?お母さんは来てないのかな?」

と、心配する看護師。

『お母さんは仕事みたいで。』

「あら、そうなの。大変ね。1人で帰れる?送っていこうか?」

『いいえ、大丈夫です。』

「そ、そうなの?気よつけてね!」

『はい。ありがとうございました。』



看護師は最後まで手を振って見送っていた。



「……」

最後に医者の顔が曇った。何を考えているんだ?



(´Д`)ハァ…これからどうしようかな。
なにかを考えるとすぐお母さんが出てきてしまう。


ポツ


『ん?』


ポタリ ポタリ ザー!


『ぎゃー』


雨が降ってきた。それも大降り。取り敢えず公園に逃げた。

木下で雨宿りをしていたが、どんどん降ってくる雨。

木で雨宿りするのには限界が見えてきた。もぅ服はビショビショだ。


『あっ!そーだ!もぅ、濡れているから雨宿りする必要ないじゃん!』



ザーーー



雨が公園の土を強く打ち付ける。雨の音しかしない公園にポツリと傘もささない少女。

なにもせず、ただ立ち尽くす。






( ¯ิ∀ ¯ิ๑)ニヤリ




少女は何を考えて居たのか。
密かにニヤリと笑った。