月影の涙Ⅱ~私はただの人形~【完】

バタンッ!!


勢いよくドアを閉めた。


『お母さん…お母さん…お母さん…』


大粒の涙を流しながら繰り返し言った。


大好きなお母さん。優しかったお母さん。
大きな手で私の頭をなでてくれたお母さん。

私のためにケーキを焼いてくれたり、沢山話をして、沢山笑って、沢山喧嘩して、楽しかった日々。

なのにどおして。

今は優しくない、お母さん。あの楽しかった日々は嘘だったように、一瞬で消え去った。

あはは。

私に死ねだって…私はお母さんの子供じゃないって…

私って本当に要らない子なんだね。

親にも必要とされ無い体。これから、私はどうやって生きていけばいいの?


ーー瑠璃母「死ねば?」



死ね…か そーだよね。生きていけないなら、死ねってことでしょ?

でも、私まだ6才なのにもう少しでいいからお母さんと居たかった。

頑張ったね。って言われて、私より大きな手で撫でられたかった。

もう少しでいいからお母さんの愛を欲しかった

お母さん…

私の大好きなお母さんはもぅ、居ないんだね。


バイバイ。

私の大好きなお母さん。