月影の涙Ⅱ~私はただの人形~【完】


誰だ?あの黒い人は、顔がフードに隠れて全く見えない。


それから黒い人は何も言わずボロボロと涙を流す少女を無視して歩きだす。


「瑠璃ちゃんを返せ!うぅ~」


最後に強気に言った言葉。でも黒い人には真に受け止めてもらえずどこかへ行ってしまった。

ポツンと公園の真中にいる血だらけの瑠璃と少女。

いつしか風の音も虫の声も聞こえなくなった。
シーンと沈まる公園。

絵のようにピタリと止まって動かない。


「ふっ」


ピクリと少女の顔が動いた。


「ふはははははっ!!!」


急に笑い出す。なぜこんな状態で笑えるんだ?


「る、瑠璃のざまぁー、日頃の行いが悪いんだよ!はははっ、お腹痛い。でもさいっこー!」


いままでの少女では無いように笑い転げる。


「でも私は優しいから救急車くらいは呼んであげる。はははっ、やばい、ツボりそう!」


笑いながらどこかえ行ってしまう少女。

なんだ?少女はずっと本性を隠していた?それともどこからが本性じゃないんだ?

次から次へと変わるシーン。理解が難しいものばかりで頭が全然おいつかない。