月影の涙Ⅱ~私はただの人形~【完】

「はぁー。ったく。ここは面倒くさいんだってー。」

翔「あ、あのー。」

「ちょっと待っててね?先にこっちを相手してくるから。」





そう言って倉庫の奥を見た。


そこには微かな気配がした。





「隠れるのが上手ですねー。よく出来まちた」





凄い馬鹿にしたような言い方。






暗闇に走り出し、鈍い音が響く。








・・・・




何分たっただろうか。あの人が帰ってきた。





「ふぅー。終わったー。」

翔「何者?」

「くせ者でーす。」

翔「ちげーよ。」

「って怪我してるじゃん!」

翔「人の話聞けよ!」



《Invisible head》




そう言ったら救急箱が飛んできた。



「ほらほら腕出して。」




俺に治療をしてくれた。





翔「ありがとう。」

「いえいえ」