月影の涙Ⅱ~私はただの人形~【完】




ペタ…… ペタ……




稀月「応接間に入るなって言ったよね?」

執事「いや、まだ入ってないですから。」

稀月「ドアが、空いていたら入ってなくてても
一緒なんだよ!」





大量の殺気。ニタニタと笑う口。何を考えているか読めない目。

何もかもがいつもの稀月とは違った。






虎牙「稀月?どうしたの?」

稀月「うふふ。約束は守らなきゃいけないんだ
よ?」

虎牙「ご、ごめん。」





稀月が廊下の窓を開けた。


バサッ



風が吹き通り、カーテンが揺れる。






稀月「……No.48?覚悟は出来ているよね?」

執事「はい。最初っから。」

稀月「夜は私の支配下。ふふふ。楽しませてね
?」





手に持っている何かを構えた。





タタッ





凄い速さで走り出す。執事の背後に回った。
素早く拳を突き出す。

それをすかさず止める執事さん。






稀月「あらー?結構やるのねぇ〜。
でも勝負はこれからよ!!」