【葉月side】

無我夢中でどこかへ歩いた。

どこだかは分かんなくて、でも……
私が自分から記憶を消した場所まで。



男「ねぇーねぇーそこのおねぇーさん。」



誰かに、声をかけられたけど、そんなの知らない。無視して歩き続ける。

何回か止められたが殺気ですぐ居なくなった。




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気づいたら、ベンチに腰をかけていた。
そこは町を一望出来る場所で広かった。



サワッ


優しい風がふく。いいな。私も風になりたい。
大空を飛んでみたいよ。



葉が一枚落ちてくる。すぐ横を見ると、大きな桜の木。

もぅ夏なので咲頃は終わってしまったのだろう
緑色の葉が生き生きと育っている。


その木によっかかる。
そのまま座ってボーッとする。