満更でもなさそうだ。

「そう?でもさ、誰だって一度は主役に憧れない?無理でも、メインキャラ枠には入りたいもんじゃない?」

「んー……本当は、ちょっと憧れてる」

そう言う遥加は、ステージ上でドレスを翻すリンを羨望の目で見ている。

「でも、ワタシはリンちゃんみたいに元気じゃないし華やかさも無いし……やっぱり向いてないよ。白雪姫役はリンちゃんで正解だったよ」

「ふーん、なんだ。せっかくお前を主役にしてやろうと思ったのに」

遥加とナゴミが振り返ると、女王様衣装を纏った四葉が立っていた。

「クロちゃん!」

「四葉ちゃん……しゅ、主役って、どういう事?」

「そのまんまの意味。遥加、今から始まるもう一つの舞台のメインは、お前だ。来て」

「え……?」