「で、そろそろチャイムが鳴るけど?お前ら、新学期早々遅刻したいのか?」 腕時計を見ると、始業一分前。 わーっと一気に散る野次馬達。 (わ、私も新しい教室に向かわなきゃ!) ナゴミも走り出そうとすると、後ろから肩をポンと叩かれた。 振り向くと、さっきの生徒会長。 彼女はニカッと笑った。 「あんた、私と同じクラスだよ。よろしく!」 ザザアッ 開いていた廊下の窓から涼しい風が吹いて、遊ぶように二人の髪を揺らした。 それは私の中の何かを変えていく合図のような気がした。そうナゴミは思った。