龍華寺 四葉と書いて、救世主と読め。


「だな」

口ではそう言いつつも、四葉は眉間に皺を寄せた『生徒会長モード』に突入している。

事件性を感じてるのだろうか?

「クロちゃん?これ事故でしょ?何変な顔してんの」

「別に変な顔してないし……いや、この蛍光灯取り替えたの、つい最近なんだよ。二週間くらい前かな?」

「え?」

そのくらいの期間なら、二週間の内に何とも無かったのが不思議に感じられる。

二週間なら、老朽化でもないという事か。

「二週間経ってからいきなり落ちるって、なんか変じゃないか?」

「そう?……そういう事もあるんじゃない?」

ナゴミはそういった事には詳しくないが、こんな事がきっちり定期的に起こるわけがない。

偶然だってある。

「だと良いんだけどな~……」

でもまだ四葉の眉間の皺は消えない。

「あら、新体操部のリボンが壊れてる」

「え?」

ほら、と先生が見せたのは、ただの棒。

先端のリボンが外れて持ち手だけが残り、棒と化したようだ。

「もー、こっちも教頭先生に報告しなきゃだわ」

「「……」」