「篠崎さんをこてんぱんに出来たからご機嫌なんですね?」

「いいえ、確かにあの整った顔が崩れる様は見ていて楽しゅうございましたし、それもありますけれども……」

あるのか。

もしかしたらこの人はS基質があるのかもしれない。

「あの御三方と友人関係を築けましてね!」

「えぇ?!」

意外過ぎる。

ぷにぷにぽっちゃり体型の茜、文学少女の深月、夜の蝶である恵実……

全員美奈とはタイプも年齢も違う。

「やはり、同じ人を好きになった者同士、通じるところがあるようでして……あの乱闘の後、なんだか意気投合して、いつの間にか仲良しになってしまいましたの!LIKEのアドレスも交換致しましたのよ?」

「「はぁ……」」

まぁ、依頼者が幸せなら、今回の件は一件落着と言って良いのだろう。

「これで解決ですよね」

「そうですわね……あ!そうそう、報酬の事なのですけれど!」

思い出したようにパンと手を叩くと、美奈は制服のポケットを探った。

出てきたのは、クローバーのリストバンドとスペードのリストバンド。

「はい、どうぞですわ!」