「ナゴ、ヘルメット被っといて」
「えっ?」
一瞬疑問に思ったが、言われるままに被る。
「Ready……Fight!!」
パリイイィン!!
ワインボトルが割れた。
恵実が篠崎に投げた音だ。
篠崎がギリギリで避けてしまい、床に落ちて紅い水溜りを作ってる。
「め、めぐ姉……?」
「悪かったね、ブスで。どーせアタシは化粧で顔作ってる馬鹿なキャバ嬢だよ!!」
今度はサラダが皿ごと飛んだ。
スコーン!
フリスビーの要領で上手い具合に額にヒットし、篠崎は倒れ込む。
整った顔が野菜まみれで台無しだ。
「ほら、ナゴ、行くよ。これ以上は危ないし」
「え?でも……」

