「怜真さん、ハッキリ言ってくださいまし!」
「酷いよ、他に彼女がいたなんて……」
「この中に本命がいるんですか、私は遊びだったってやつですか?!」
「怜ちゃんってば!!」
前門の虎後門の狼という諺があるが、今の篠崎は、前門の四葉とナゴミ後門の四人の彼女だ。
逃げ場が無く、囲まれている。
篠崎はギリッと歯ぎしりをしてから喚く。
「い、良いだろ!!お前らみたいなブス、オレが相手しない限り彼氏なんざ出来ねぇんだから!ありがたく思えよ、良い夢見せてやったんだから!!」
耐えきれなくなってとうとう本性を出した。
四葉がニヤニヤ笑いを浮かべる。
蛇が獲物を目の前にしたような、ゾッとする笑顔。
ナゴミでも恐怖を感じる程。
カラカラカラ……
空気を読まないボーイが、料理をワゴンに乗せて運んできた。
美容に良い野菜たっぷりのサラダ、美しく並ぶローストビーフ、宝石の様なデザート、高そうなワイン……これは恵実用か。
たくさんの料理が乗っている。

