「あ、あの、すぐに終わりますので!危ない事じゃない……はずですから、ご安心ください!」
ナゴミはそわそわと落ち着かない深月に助け舟を出す。
いくら四葉でも、こんな所で危ないことはしないはず……だと信じたい。
自分も深月と同じで今の状況が意味不明の為か、何だか親近感を覚えた。
「そ、そう……?それじゃ、少し待たせてもらうね」
―――ガチャッ
「準備は整ったのかしら?」
暫くして次に入ってきたのは、某女性演歌歌手を連想させるような派手なドレスに身を包んだ少女だった。
そのままツカツカとハイヒールを鳴らし、堂々と入室してくる。
「あ、美奈さん!」
四葉が片手を軽く上げ、ナゴミは軽く会釈をした。
こんなド派手で漫画から抜け出したような人間、見間違えようがない。
依頼者である円城寺 美奈だ。
「四葉様、七五三様、御機嫌よう」
現実でこんな挨拶する人は、恐らくこの人だけだろうとナゴミは思う。

