皆が黒板に向かって視線を送っている授業中。
窓際に座る私はふとグラウンドを見ていた。


グラウンドでは体育の授業をしているようだ。



その中に、麻生くんの姿を見つけた。
友だちと一緒に楽しそうに笑いながら授業を受けていた。

50m走の計測らしく、何人もグラウンドに書かれた直線のコースを走って行っている。



もうすぐ麻生くんの順番が来る。



あ、並んだ。
ここからでは少し見えにくいけど麻生くんだ。



走り出した。




走り出した麻生くんは見る見るうちに一緒に走り出した人たちを取り残していく。
ダントツの1番で走り抜けた麻生くんに私はいつの間にか釘付けになっていた。



走り抜けた麻生くんは、クラスメイト達に囲まれもみくちゃにされている。
きっと早くて歓声を受けているんだろう。