「私の気持ちも、信じられない?」

「そんなこと、ない」

「ね。麻生くんの事も信じてあげなよ」




信じる。
私には難しい言葉だ。

信じたって、なにも変わらない。



「あれ?これ」



志保の視線がある一点に注がれている。
その視線の先をたどると地面に落ちている携帯電話。




「麻生くんのかな?」

「慌ててたからね」

「結芽、届けてあげなよ」

「なんで私!?」



見つけたのは志保なんだし、私が行く必要なんてないと思うんだけど。
それに、私が麻生くんの教室を尋ねるなんて・・・。

なんか、嫌だ。