「…だから須藤、俺とずっと一緒にいてくれる?」


いつか。

顔中涙でドロドロになった私の顔を思い出して、二人で笑いあう日が来るだろうか。


「…私でいいの?」


若かった私たちの日々を、寄り添いながら、慈しみながら、懐かしく紐解く季節が来るだろうか。



「もちろん。俺は…――」



ねえ、畑野くん。

そのときはもう一度その言葉を、囁いて欲しい。






『実乃じゃなきゃダメなんだよ』





あなたの隣で微笑む、私に。





















ありふれた恋でいいから【完】