彼と、初めて結ばれたのはそれから暫く後のこと。
休日に畑野くんの部屋で勉強している時だった。

受験生という言葉が頭に無かった訳じゃないけれど。
畑野くんのことが好きで、彼も私を想ってくれていて。
触れたいとか抱き締めたいとかの欲求を無理に抑えている方が寧ろ不自然なくらい、求め合うのは必然的な流れだった。

お互い初めてだったからそれはきっとぎこちないところもあったのだろうけど。

私の身体を気遣いながら抱き締めてくれる畑野くんの腕の強さに、全てを委ねて。

彼のことを心から愛しいと思った。

幸せな、痛みだと思った。