「近藤くん、いますか?」 次の日の朝、8組の前。 ちょっとだけ緊張しているから声が震える。 「近藤くん、まだ来てないよ」 「...そうですか」 教室から聞こえてきた声に少し肩を落とす。 今、8時20分。 本令が8時30分に鳴るからもう来ないとおかしいはずなのに───。 「あれ、佐藤さん?」 そう思っていた時、後ろから昨日も聞いた声が聞こえてきた。