天然姫と運命の翼



「アウゼ、おーねーがーいーっ!!」

ひたすら叫んでいると、扉が開いた。

「……分かったから。もう騒ぐな。」

いやったーーー!!

アウゼと並んで歩く。

(アウゼと散歩、アウゼと散歩)

ルンルン歩いていたけど、はたと足を止める。

(あれ…?なんで私、こんなに嬉しいの?)

前までは、向こうから誘われても、何も
感じなかったのに…。

チラッと、アウゼの顔を盗み見る。

真っ直ぐ前を向くアウゼは、朝日を浴びて
とてもかっこよかった。

無造作にセットされた黒髪が、風に
揺れている。

(最初に会ったときも思ったけど…。
世の中にこんな格好いい人って、
いるんだぁ…。)