「…アウゼ様、そろそろお部屋に戻りません
と。国務が残っておりますから。 」
うっ、と、アウゼが顔を歪める。
「そうだな。このくらいにしておこうか。
…そうだ、エドワード。楓の力はまだ
覚醒していない。近いうちにするとは
思うが。」
ハンムが言う。
「そうですか。ありがとうございました。
ではアウゼ様、楓様、帰りましょう。」
「…分かった。帰ろう。行くぞ、楓。」
「う、うん…。」
結局よく分からないまま、部屋に戻った。
しかし、
その様子をじっと見ている人影に、
その時の私たちは気づかなかったーーー


